タワーリング・インフェルノ【2021年9月23日放送】 |
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2021年 09月 24日
【タイトル】タワーリング・インフェルノ
【放送日】2021年9月23日 【製作国】アメリカ 【製作年】1974 【原題】THE TOWERING INFERNO サンフランシスコにそびえ立つ超高層ビルの落成式の日、手抜き工事が原因で火災が発生する。ビルの設計者と消防隊長が救出作戦に奔走する様子を描く、パニック映画の名作。 ※公式予告編なし。第47回アカデミー賞撮影賞の受賞風景を代わりに。 休日にこんなん放送されていたら観てしまうでしょうの第2段。過去に2度観賞した。確か日曜洋画劇場で、淀川さんの解説がついていた記憶がある。70年代を代表するパニック映画の名作である。 ポール・ニューマン、スティーブ・マックイーン、フェイ・ダナウェイ、ウィリアム・ホールデン、フレッド・アステア、ロバート・ヴォーンと、綺羅星の如くスターが並ぶ。この豪華さだけで、自分が観てきたハリウッド映画という感じでワクワクしてしまう。火事の描き方に関しては、やはり古さは隠せない。本ブログでは以前「バック・ドラフト」を取り上げたが、その後も9.11もあってビルでの救出劇を描いた映画は何本か制作されており、CGが使える分新しい映画の方が分がいい。だが、そうしたネガティブな要素を覆すに十分な創意工夫に溢れている。 まず主演2人の存在感に触れないわけにはいくまい。ニューマンもマックイーンも、他の追随を許さない名優である。彼らの後、彼らのポジションに入る若い俳優が、特にマックイーンは見当たらない。だからこの時代の映画には、この時代にしか出せない空気感に満ちている。ニューマン演じるダグが出火元からホールデン演じるダンカンに電話を掛けるシーン。焦燥感を湛えながらもどこかに冷静さを持つニューマンの演技が見事。自分の設計したビルで人が死ぬという重い事態を前にわざとらしく苦悩することがない。それでいて無責任でもなく、ヒロイックでもなく、前を向いて着実に行動する。マックイーン演じるマイケルが、部下の消防士を冷たく突き放す場面。それは実は部下のことを思っての行為なのだが、今日なら何らかの説明が入るこのシーンに何の説明も入らない。わずかに視線の交錯と、マイケルの微かな表情の変化があるだけだ。だがそれがいい。一本通してみれば、マイケルの人となりがきちんと分かるようになっている。今日では観ることがなくなった簡潔な描写。この簡潔さが心地よかった。 既に年老いて踊らなくなったアステアの演技も良かった。自らをケチな詐欺師と自虐しながら、それでもエレベーターから出てきた火だるまの人を真っ先に助けに行く真摯さが光る。そして、人生の希望を見出しかけた矢先の別れ。ジェニファー・ジョーンズ演じるミュラーとの別れは切なく、そしてこの火事自体が決してハッピーエンドではないことを我々に突きつける。ラストのダグとマイケルの会話に微かな希望が見えるだけに、そことのバランスをアステアが見事に取っている。これはオスカーノミネートも頷ける演技だと思う。 そしてやはり全体の緊迫感が素晴らしい。出火のプロセスは何度観てもドキドキするし、出火と延焼の原因となるコストダウンと手抜き工事の描き方もうまい。そして何より火事そのものではなく、延焼によって迫ってくる火から逃れることに焦点を当てたのがうまかった。火事そのものをそこまで描かないのだ(とはいっても30m程度のミニチュアを作っての撮影を行っているらしいが)。これによって、CGなどと比して相対的に映像技術が低いことを見事にカバーしている。火がない場所での人々の奮闘がメインなのだからこそ、煤と汗で汚れたマックイーンの表情が活きる。マイケルたち消防隊員だけが、火の最前線で戦っている。光と影の使い方もうまい。カリーナ・ガワー演じるアンジェラをダグが助けるシーン。アンジェラを抱きかかえたダグのシルエットが炎を前にして浮かび上がる。電気が落ちたあとのプロムナードルームの複雑な陰影。窓ガラスから噴き出す炎と夜空の闇のコントラスト。映像の一つ一つに引き込まれる。最初から最後まで、素晴らしい出来だった。 唯一の不満はヴォーン演じる上院議員を殺してしまったこと。ダンカンと2人でプロムナードルーム内の指揮を冷静に取る姿は本当に格好良かった。それだけにあの最期は本当に残念。一緒に下まで降りてきてほしかった。逆にいうと、そのくらいしかマイナスが浮かばない。権力者の無理解、悪徳行為に起因する悲劇、パニックになった人々の愚行、一部の冷静な人たちの奮闘。老人と子供。定番てんこ盛りのフラグ立ちまくりの映画なんだけどなあ。なんでこう、繰り返しに耐えうるものになるんだろう。何か法則があるはずなのだが、それは自分の手が届かない場所にあり、自分はこうして何度も作品を堪能するだけだ。そして最後に、フェイ・ダナウェイ、綺麗だったなあ。
by goodbyegirl1974
| 2021-09-24 00:33
| プレミアムシネマ
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